MOBILITY / CITIES / TIME

エコカーでも渋滞時間は戻らない―1人で走る車が使う道路のコスト

燃費や動力源だけでは消えない渋滞の時間を、交通量、乗車人数、所要時間の掛け算で読む。相乗りを万能解にせず、高齢者や地域交通を含む現実的な選択肢を考える。

NOAH'S 30-SECOND READ

Noahの立体読み

車の環境性能と、道路一台分が運ぶ人数を分けて考える。

  1. SURFACE

    低燃費車や電動車でも、一台が占める道路面積と渋滞中の時間は大きく変わらない。

  2. MECHANISM

    渋滞損失は、余分な所要時間に交通量と乗車人数を掛けて積み上がる。

  3. NEXT DATA

    時間帯別交通量、平均乗車人数、旅行速度、公共交通への接続を地域別に見る。

暑い日に道路が詰まり、セダンや高級車が一台ずつ並んでいる。運転席には一人だけ。車がエコカーかどうかとは別に、同じ道路幅の中で何人を運べているかが気になる風景だ。

国土交通省の道路交通センサスでは、乗用車の平均輸送人員は長期的にわずかに低下する傾向が示されている。2021年度調査はコロナ禍の影響を含み、速報値が後に変わる可能性もあるため、単年の数字だけで生活様式を断定することはできない。

渋滞損失の考え方は単純だ。実際の平均所要時間から、混雑がない基準所要時間を引く。そこへ交通量と一台あたりの乗車人数を掛ける。つまり、車が止まって失う時間は、運転者だけでなく同乗者の時間も含めて社会全体へ積み上がる。

普通ここで、相乗りを増やせば解決すると考えたくなる。しかし移動先、時間、介助、荷物、安全、地方の交通事情は人によって違う。高齢者にとっては、知らない人との相乗りより、予約できる小型交通や病院・商店への定路線の方が使いやすい場合もある。

直感をもう一度反転させる。車一台の燃料消費を減らす政策と、道路一台分で運ぶ人数を増やす政策は同じではない。電動化、公共交通、乗合、時差出勤、配送の共同化、歩いて移動できる街づくりは、それぞれ別の詰まりを減らす。

お金の地図を一文で残すなら、渋滞で消えるのは燃料だけでなく、人の時間、配送車の稼働、店の仕入れ、介護や通院の余裕だ。次に見るのは、車種別販売ではなく、時間帯別の旅行速度と平均乗車人数である。

渋滞時間を読む掛け算

要素意味改善の例
余分な所要時間混雑時と基準時の差信号・交差点、時差移動
交通量道路を通る車の数公共交通、共同配送
乗車人数一台が運ぶ人数家族・予約型の乗合

相乗りは選択肢の一つです。安全、介助、地域事情を無視して一律に勧めるものではありません。

この話のポイント

  • 平均乗車人数
  • 時間帯別旅行速度
  • 混雑時の公共交通接続
  • 予約型乗合の利用率
  • 共同配送の車両削減効果

参照資料

本記事は公開情報をもとにした観測メモであり、投資・融資・法律上の助言ではありません。